2018.5.23買取情報【ドーム/Daum/アール・ヌーヴォー/ガラス工芸/西洋アンティーク】

フランスのアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家ドーム羊歯昆虫文花瓶です。側面にDaum Nancy陽刻サインあり。ガラス素地には異なった色を溶かし込むことで色彩のグラデーションを表現。鮮やかな色彩とシダの葉のコントラストが映える美しい作品です。目を凝らすと葉には小さな昆虫もとまっており、アール・ヌーヴォーらしい凝った意匠です。

ドーム兄弟(Daum Frères)

エミール・ガレと並び、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家
兄 オーギュスト(Auguste Daum, 1853~1909)
弟 アントナン(Antonin Daum, 1864~1930年)

兄弟はフランス東部のナンシーで父親が経営していたガラス工場のガラス製造事業に参加。
その後パリ万国博覧会に出品を重ね、高い評価を受けるようになります。。
アール・ヌーヴォーを代表するガラス工房としてその地位を確立させ、
その後ドーム社は今日に至るまで時代の流行に対応し、操業を続けてます。
作品のサイン“Daum Nancy”から「ドーム・ナンシー」と称されることもあります。

ドーム兄弟が使用した特徴的な技法としては、
「ヴィトリフィカッシオン」と呼ばれる粉末色ガラスを素地に付着させる技法や、
透明ガラス層の間に色ガラスを挟み込み彫刻を施す
「アンテルカレール」(1899年に特許を取得)があります。

美しいアール・ヌーヴォーのガラス作品は現在でも大変人気があり、
マーケットでは高値で取引されています。

技法の紹介

異色溶かし込み
ガラス素地の中に異なった色を溶かし込み、地紋や模様を作る技法。
マーブル模様や縞目紋、斑紋などをガラスとガラスの間に挟むことで色合いをより豊かにします。

酸化腐蝕彫り(アシッド)
文様部分の被膜をパラフィンなどの保護膜で覆った後、文様を描きそれをフッ化水素と硫酸の混合液で腐蝕させて文様を作ります。

被せガラス
ガラス素地に違う色のガラスを被せ(部分的や全体的に)、被せたガラスの方を酸化腐蝕彫りやグラビュールなどをしてモチーフを表現する手法。色調が重層的となり、より深い表現が可能になる。

銀座・大雅堂美術ではドームエミール・ガレ、ルネ・ラリック、ミューラー、ワルター、アルジー・ルソー、バカラ、ルイス・ティファニーなどのアール・ヌーヴォー、アールデコの工芸美術品の買取り・鑑定について随時ご相談承っております。お手元のお品のご売却をお考えの際には是非ご一報ください。