2017.4.23買取り情報【ドーム・ナンシ―/アール・ヌーヴォー/西洋アンティーク/ガラス工芸】

フランスのアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家ドーム兄弟による落葉樹風景文花瓶です。ガラスの素地には異なった色が溶かし込まれており、美しいグラデーションを生み出しています。胴体部分には色の異なる被せガラス酸化腐食彫り(アシッド)にて木々が描かれ、奥行きのある風景画のような大変美しい作品に仕上がっています。側面に「Daum Nancy」のサインあり。

◆ドーム兄弟(Daum Frères)◆

エミール・ガレと並び、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家
兄 オーギュスト(Auguste Daum, 1853~1909)
弟 アントナン(Antonin Daum, 1864~1930年)

1880前後~兄弟はフランス東部のナンシーで父親が経営していたガラス工場のガラス製造事業に参加。
1889年 パリ万国博覧会に、ドーム工房はテーブルウェアなどを出品。
1891年 ドーム工場でも装飾工芸ガラスを制作する部門を設置。美術工芸品としてのガラス生産を開始。
1894年 ナンシーおよびリヨンの博覧会で金賞を受賞。
1897年 ブリュッセル万国博覧会にて金賞を受賞
1900年 パリ万国博覧会出品、ガラス部門で大賞(グランプリ)を獲得

アール・ヌーヴォーを代表するガラス工房としてその地位を確立させ、
その後ドーム社は今日に至るまで時代の流行に対応し、操業を続けてます。

ドーム兄弟が使用した特徴的な技法としては、
「ヴィトリフィカッシオン」と呼ばれる粉末色ガラスを素地に付着させる技法や、
透明ガラス層の間に色ガラスを挟み込み彫刻を施す「アンテルカレール」(1899年に特許を取得)があります。

美しいアール・ヌーヴォーのガラス作品は現在でも大変人気があり、マーケットでは高値で取引されています。

銀座・大雅堂美術ではドームエミール・ガレ、ルネ・ラリック、ワルター、アルジー・ルソー、マイセン・クリスタル、オールド・バカラなどの西洋アンティーク、ガラス工芸美術品の買取り・鑑定について随時ご相談承っております。お手元のお品のご売却をお考えの際には是非ご一報ください。