2018.7.11買取情報【ドーム/Daum Nancy/アール・ヌーヴォー/ガラス工芸/西洋アンティーク】

アール・ヌーヴォー期に一世を風靡したガラス工芸家ドーム花蝶文花瓶です。底部にDaum Nancy(ドーム・ナンシー)陰刻サインあり。角度によって変化する幻想的な色合いの被せガラスに、酸化腐食彫りにて芥子と思われる花と一匹の蝶がエナメル彩にて描かれています。部分的に金彩が施され、華やかな雰囲気を醸し出している美しい作品です。

ドーム兄弟(Daum Frères)

エミール・ガレと並び、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家
兄 オーギュスト(Auguste Daum, 1853~1909)
弟 アントナン(Antonin Daum, 1864~1930年)

兄弟はフランス東部のナンシーで父親が経営していたガラス工場のガラス製造事業に参加。
その後パリ万国博覧会に出品を重ね、高い評価を受けるようになります。。
アール・ヌーヴォーを代表するガラス工房としてその地位を確立させ、
その後ドーム社は今日に至るまで時代の流行に対応し、操業を続けてます。
作品のサイン“Daum Nancy”から「ドーム・ナンシー」と称されることもあります。

ドーム兄弟が使用した特徴的な技法としては、
「ヴィトリフィカッシオン」と呼ばれる粉末色ガラスを素地に付着させる技法や、
透明ガラス層の間に色ガラスを挟み込み彫刻を施す
「アンテルカレール」(1899年に特許を取得)があります。

美しいアール・ヌーヴォーのガラス作品は現在でも大変人気があり、
マーケットでは高値で取引されています。

技法の紹介

酸化腐蝕彫り(アシッド)
文様部分の被膜をパラフィンなどの保護膜で覆った後、文様を描きそれをフッ化水素と硫酸の混合液で腐蝕させて文様を作ります。

被せガラス
ガラス素地に違う色のガラスを被せ(部分的や全体的に)、被せたガラスの方を酸化腐蝕彫りやグラビュールなどをしてモチーフを表現する手法。色調が重層的となり、より深い表現が可能になります。

銀座・大雅堂美術ではドームエミール・ガレ、ルネ・ラリック、ミューラー、ワルター、アルジー・ルソー、バカラ、ダルジャンタル、ルイス・ティファニーなどのアール・ヌーヴォー、アールデコの工芸美術品の買取り・鑑定について随時ご相談承っております。お手元のお品のご売却をお考えの際には是非ご一報ください。