名物裂と古渡り更紗@静嘉堂文庫美術館

丸の内~日比谷~銀座界隈は
イルミネーションが美しい時期となってまいりました。
クリスマス感たっぷりのショーウィンドウも華やかですね。

さて、本日ご紹介するのは世田谷区岡本で開催中の展覧会です。

名物裂と古渡り更紗

会期:2019年11月2日(土)~12月15日(日)
時間:10:00~16:30 ※入館は16:00まで
休館日:毎週月曜日
会場:静嘉堂文庫美術館
アクセス
公式HP

静嘉堂では初めての、染織をテーマとした展覧会です。
わが国特有の発達をみせた茶の湯文化、
そして文人の嗜みとして流行した煎茶文化の世界では、
中国をはじめ海外から広く舶載された文物を用い、
大切に伝えてきました。
その内には「金襴(きんらん)」「緞子(どんす)」「間道(かんどう)」など、
今日“名物裂(めいぶつぎれ)”と総称されているような高級な染織品も含まれ、
それらは室町時代以降の唐物賞玩のなかで、絵画・墨蹟の表具裂や、
茶入を包む袋、「仕覆」(仕服)となり、
茶人たちの鑑賞の対象となりました。

また江戸時代以降、型や手描きによる草花・鳥獣・幾何学文様などを
色鮮やかに染めた木綿布“更紗”が、
ポルトガルやオランダの南蛮船や紅毛船、中国船などによってもたらされると、
これも数寄者たちを大いに魅了しました。
とりわけ江戸時代中期頃までに輸入されたインド製更紗の一群は、
後世“古渡り更紗”と呼ばれ、茶道具では箱の包み裂(つつみぎれ)に、
煎茶道具では、茶銚(ちゃちょう)・茶心壺(ちゃしんこ)などの
仕覆や敷物として重用されました。

永い歴史をへて、今日に美しいデザイン、
繊細な手の技を伝える染織の優品を、この機会にどうぞご堪能下さい。

古裂好きには勿論のこと、
茶道・煎茶道にご興味ある方にも見応えある内容かと・・・。
是非お出かけください☆

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