2020.6.26買取情報【ドーム/Daum Nancy/アザミ文水注/アールヌーヴォー/ガラス工芸/西洋アンティーク】

アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家ドーム兄弟薊文水注ぎを買取りました。底面にDaum Nancy のサイン。全面にあざみが描かれた洗練されたデザインと個性的な金彩使いが華やかで美しい作品です。小振りながらも多種の技法(ジヴレ・被せガラス・酸化腐食彫り・エナメル彩)が使用されています。把手にはアプリカシオンの技法が使用されています。

ドーム兄弟(Daum Frères)

エミール・ガレと並び、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家

兄 オーギュスト(Auguste Daum, 1853~1909)
弟 アントナン(Antonin Daum, 1864~1930年)

兄弟はフランス東部のナンシーで父親が経営していたガラス工場のガラス製造事業に参加。
その後パリ万国博覧会に出品を重ね、高い評価を受けるようになります。。
アール・ヌーヴォーを代表するガラス工房としてその地位を確立させ、
その後ドーム社は今日に至るまで時代の流行に対応し、操業を続けてます。
作品のサイン“Daum Nancy”から「ドーム・ナンシー」と称されることもあります。

ドーム兄弟が使用した特徴的な技法としては、
「ヴィトリフィカッシオン」と呼ばれる粉末色ガラスを素地に付着させる技法や、
透明ガラス層の間に色ガラスを挟み込み彫刻を施す
「アンテルカレール」(1899年に特許を取得)があります。

美しいアール・ヌーヴォーのガラス作品は現在でも大変人気があり、
マーケットでは高値で取引されています。

技法の紹介

酸化腐蝕彫り(アシッド)
文様部分の被膜をパラフィンなどの保護膜で覆った後、文様を描きそれをフッ化水素と硫酸の混合液で腐蝕させて文様を作ります。

アプリカシオン
予めモチーフの形に成形したガラスを熱して、本体に溶接する技法。

エナメル彩
色ガラス粉末と油脂でつくったガラス絵の具でモチーフを描き、低温窯で焼きつけます。

銀座・大雅堂美術ではーム(ドーム・ナンシー)エミール・ガレ、ルネ・ラリックバカラ、ミューラー、ワルター、アルジー・ルソー、ダルジャンタル、ルイス・ティファニーなどのアール・ヌーヴォー、アールデコの工芸美術品の買取り・鑑定について随時ご相談承っております。また茶入れ、棗、茶碗、風炉、水指、茶杓など茶道具全般の買取り・鑑定についても随時ご相談承っております。お手元のお品のご売却をお考えの際には是非ご一報ください。