茶の湯の床飾り —茶席をかざる書画@出光美術館

本日ご紹介するのは銀座からもほど近い丸の内にて開催中の展覧会です。

茶の湯の床飾り
茶席をかざる書画

会期:2023/4/22(土)~5/28(日)
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし月曜日が祝日および振替休日の場合は開館、翌日休館)
会場:出光美術館
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茶の湯は中国より抹茶や煎茶の喫茶法が伝来し、日本の文化や風土に合わせて独自の変容を遂げました。茶の湯における床飾りは室町時代の足利将軍家の書院飾りより始まります。書院には押板と呼ばれる床の原型がつくられ、掛物や三具足(花瓶・燭台・香炉)などを飾っていました。足利将軍家の書院飾りでは唐物が尊重され、掛物では牧谿玉澗などの唐絵が尊ばれましたが、珠光によって侘茶が創始されると茶禅一味の思想から墨跡が第一とされます。そして、近代では物語絵古筆がかけられるなど、時代による好みが反映され多くの道具が見出されてきました。さらには、煎茶では文人趣味とあいまって茶の湯とは趣向が異なります。

本展では、「床飾り」という切り口で出光コレクションより作品を厳選。所蔵する重要文化財57件のうち8件、他館蔵の重要文化財2件を含む名品の数々で茶席を飾ってきた書画に注目します。
今年は煎茶の喫茶法を日本へもたらした黄檗僧の隠元隆琦(1592 – 1673)の没後350年、および江戸時代後期を代表する陶工・青木木米(1767 – 1833)の没後190年にあたります。本展においても煎茶の席にかけられる掛物や木米の手による涼炉や急須などの煎茶具も展示し、茶の湯とは異なる、文人の愛した煎茶の世界を紹介します。

テーマを絞った充実の展示かと思います。是非お出かけください。

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